葡萄色(えびいろ)

葡萄色(えびいろ) 紫色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 葡萄色(えびいろ)
別名 蒲萄色(えびいろ)、葡萄染(えびぞめ)、深葡萄(こきえび)
系統 紫色系統

葡萄色の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #672352
RGB R:103 G:35 B:82
CMYK C:20% M:80% Y:0% K:60%

葡萄色について

葡萄色は山葡萄の熟した実の色

葡萄色えびいろとは、濃い赤紫色のことです。
山葡萄の熟した実のような色を指し、蒲萄色(えびいろ)、葡萄染(えびぞめ)ともよばれます。
「えび」というのは葡萄の古語であり、古代においてヤマブドウは葡萄葛(えびかずら)とよばれていました。

古代の葡萄色えびいろには深蒲萄こきえびと、浅葡萄あさきえびという二種類があり、今日の葡萄色えびいろと呼ばれているのは深蒲萄こきえびのほうになります。
天武十四年(685)に定められた四十八階制では、深蒲萄こきえびが正位における四番目の追位(33~40位)の色とされ、浅葡萄あさきえびは五番目の進位(41~48位)とされました。

葡萄色は海老色は別の色

江戸時代になると海産物の伊勢海老が由来の海老色えびいろが誕生し、葡萄色えびいろと混同されるようになりました。
海老色えびいろとの差別化のためか、葡萄色えびいろは「えびいろ」から「ぶどういろ」に呼び方が変化し、現在では葡萄色えびいろは「ぶどういろ」という色名が定着しています。

葡萄色は貴族の女性に好まれました

葡萄色えびいろは特に貴族の女性に好まれたらしく、平安文学によく登場します。
枕草子には、「葡萄染の織物の指貫を着たれば、重雅は色ゆるされにけりなどと山の井の大納言わらひ給ふ」と、葡萄染の指貫を着た重雅を見て、官位が上がったことを喜んでいる様子が書かれており、源氏物語では紫の上の衣裳として登場します。
襲の色目にも名があり、葡萄(えびぞめ、ゑびぞめ)「表:蘇芳、裏:縹」とされ四季を問わずに着用できたようですが、特に冬から春にかけて着られたそうです。

平安時代の葡萄色えびいろは紫草の根で染められました。
『延喜式えんぎしき』の縫殿寮雑染用度条には、「葡萄綾一疋。紫草三斤。酢一合。灰四升。薪四十斤。帛一疋。紫草一斤。酢一合。灰二升しょう。薪廿斤。」とあります。
酢は米酢のことで、赤みの紫にするために加えられます。
灰は椿またはヒサカキの生木を燃やしたもの、薪は温度を上げて染色することを示しています。
より昔には葡萄蔓(蝦蔓)で染めていたために葡萄色えびいろになったという説もあります。