臙脂色(えんじいろ)

臙脂色(えんじいろ) 赤色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 臙脂色(えんじいろ)
別名 燕脂(えんじ)、燕支(えんじ)、烟脂(えんじ)
系統 赤色系統

臙脂色の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #951041
RGB R:149 G:16 B:65
CMYK C:0% M:95% Y:36% K:45%

臙脂色について

臙脂色は歴史は古いが新しい色

臙脂色えんじいろとは、少し紫がかった暗い赤色のことです。
臙脂色えんじいろは奈良時代から名前が見られる歴史のある色名で、正倉院文書には「烟子」「烟紫」という記述があります。
中国の燕支山の近くが紅花の産地として有名だったため、紅花のことを「燕支」「臙脂」「烟子」ともよぶようになり、日本に紅花が渡来した際にその名も伝わったとされます。
古くからある色名ですが、明治になり化学染料が広まるまで臙脂色えんじいろという色名が一般的に使われることはなかったようです。

明治時代になり化学染料が輸入され、鮮やかな色も表現可能になったせいか、臙脂色えんじいろは早稲田大学などでスクールカラーに使われることになり、学校の制服や体操服の色に採用され、一般に広まっていきます。
また銭湯などで使われる「ゆ」の字ののれんの色が、男性は青色あおいろ紺色こんいろで、女性は赤色あかいろ臙脂色えんじいろとなっています。

また臙脂色には錆臙脂、臙脂鼠、臙脂墨といったバリエーションが存在します。

臙脂色の原料には紅花と貝殻虫の二種類があります

臙脂の原料としては、紅花の紅色素から作られた植物性の臙脂と、貝殻虫から作られた動物性の生臙脂とがありました。
両者とも奈良時代には日本に流入してきていましたが、最初に臙脂と呼ばれたのは、紅花の正臙脂のようです。
延喜18年(918)に編纂された日本現存最古の薬物辞典「本草和名」には「紅藍花、作燕支者、和名久礼乃阿為 くれのあい」とあり、承平年間(931~938)に編纂された辞書「和名類聚抄」には「焉支、烟支、燕支、臙脂皆通用」とあり、平安時代の臙脂は紅花を指していたと思われます。
顔料や絵具にも臙脂の名は見られ、奈良時代から使われていた、紅花の赤い色素を綿に吸収させた絵具は臙脂と呼ばれ、また臙脂に黒を混ぜた臙脂墨という絵具もあり、臙脂は赤の色相の中でも濃厚な暗い色調を表すようになります。

生臙脂に関しては、正倉院に貝殻虫の雌が分泌したヤニ状の物質が保存されおり、これは生臙脂といわれますが当時の名は「紫鉱」であり、顔料ではなく薬の扱いとされます。
生臙脂が主流になるのは、中国の明代に紅花の臙脂より貝殻虫の臙脂のほうが優れているとされ、中国の臙脂が生臙脂に切り替わり、中国の臙脂が日本に輸入されるようになってからです。
この頃スペインが中南米を征服し、サボテンにつくコチニールという虫から取れる臙脂色えんじいろがヨーロッパを席巻しており、これが中国にも伝わったと思われます。
江戸時代、長崎港の輸入記録には、臙脂綿何枚という記述がみられ、友禅染が盛んになると、輸入量が年間数万枚にもなっていたとの記録があります。