色名・別名・系統
| 色名(かな) | 藤色(ふじいろ) |
| 別名 | 特になし |
| 系統 | 紫色系統 |
藤色の色情報・カラーコード
| Webカラー(HTML) | #9297C5 |
| RGB | R:146 G:151 B:197 |
| CMYK | C:40% M:34% Y:0% K:0% |
藤色について
藤色は藤の花色のような風雅な色
藤色とは、青みがかった明るめの紫色のことです。
春の終わりころから花房を優雅に垂らす藤の花の淡い紫色を指します。
藤の名は、風が吹く度に花が散るので「吹き散る」の意味の「風散(ふぢ)」に由来するそうです。
日本固有の植物で日本全国に生息しており、つるが丈夫なため家具、籠や敷物、布や紐など多くの用途に使われました。
万葉集には「藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君」という詠まれており、「藤波」と名前がつけられるほど、藤の花が風に吹かれて揺れる様子は古来より愛されました。
中臣鎌足が大化の改新で藤原の姓を賜り、常に政権の中心に位置し栄華を欲しいままにしたため、藤原家ゆかりの花である藤の花色である藤色は、平安の頃には色の中の色とされたそうです。
藤色は平安文学にもたびたび登場し、清少納言は藤の花を「あてなるもの」(上品なもの)とし、藤の花と花色である藤色を愛しました。
紫式部は、桐壺帝の寵愛を一身に受け、光源氏に慕われる聡明な女性の名前を「藤壺」とするほど、藤の花に敬意を持っていたと思われます。
紫式部は藤原一族出身ということもあり「藤式部」とよばれたそうです。
平安時代には「藤見の宴 (ふじみのうたげ)」が盛んに行われ、藤と藤色は大変愛されました。
襲の色目にも名があり、藤重(ふぢがさね)は「表:淡紫、裏:青(緑)」 となります。
江戸時代には広く広まり、現代まで使われる人気の色へ
江戸前期には藤色は人気の色となっており、小袖地色として使われたそうです。
紫色は古来より高貴な色で使用が禁じられており、江戸時代になっても紫色は禁色でしたが、薄い紫である藤色は許し色で、庶民にも使用が許可されていたことも人気の一因です。
井原西鶴の『好色一代男』をはじめ、浄瑠璃・洒落本・咄本など近世文学にもたびたび現れるようになります。
江戸時代には色の微妙な違いを楽しむ文化が形成されたせいか、藤色には青みの紫から紅色に近い色までの明るい色まで、20を超えるバリエーションが生まれました。
青みが強い「青藤色」、紅みが強い「紅藤色」、白がかった「白藤色」などがあります。
藤色は本来藍と紅によって染められますが、江戸時代には高価な紅の代わりに、蘇芳と鉄媒染を用いての代用染が多く行われたそうです。
「染物秘伝」(1797)にはその染法が見られます。
江戸末期になると、やや青みが弱く紫みの強い藤色を藤紫と呼ぶようになり、明治期に流行色となりました。
化学染料が普及すると、藤色より藤紫のほうが人気となったそうです。
藤紫は大正時代にも流行したため、大正紫の別名も持ちます。
