涅色(くりいろ)

涅色(くりいろ) 黒色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 涅色(くりいろ)
別名 皀色(くりいろ)
系統 黒色系統

涅色の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #322C29
RGB R:50 G:44 B:41
CMYK C:0% M:8% Y:10% K:95%

涅色について

涅色は水中の黒土で染めた色

涅色くりいろとは、わずかに茶色がかった黒色のことです。
水中の土に鉄分が含まれているため、黒い粘土のようになった泥土のような色を指します。
もともと黒っぽい土が、さらに木の枝や草に含まれるタンニンが鉄分と結びついて黒く変色したものです。
皀色(くりいろ)とも書き、「クロ」の語源はこの「クリ」ではないかいう説もあります。
後漢時代に書かれた中国における最古の漢字字典である「説文解字」には、「黒土の水中にあるものなり」と書かれています。

涅色は身分の低い人たちの色

「日本書紀」持統天皇七年(693)には、「詔して天下の百姓をして、黄色の衣を服しむ。奴は皀衣をきしむ」と定められており、灰色から黒になるような色は、身分の低い人たちの衣裳だったようです。

ですが涅色くりいろのような暗く黒に近い色は低位の人たちだけが着た色ではなく、貴族のような高位の人たちの近親者が亡くなった時の喪服の色でもありました。
その暗い黒に近い色は鈍色にびいろと呼ばれ、橡や矢車の実で鉄媒染で染められていました。

江戸時代には泥を使って染められた布が名産品となりました

江戸時代になると、黒っぽい色は身分の低さを表すわけでも、喪に服していることを表すわけでもなく、広く受け入れられる色になります。
黒っぽい色を染めるために新たに生まれたのが、鉄屑を粥に入れて錆びさせて、鉄が溶けだした、鉄漿(かね)と呼ばれる液体を媒染剤として、橡や矢車、団栗(どんぐり)などタンニンを多く含む染料で染める技法です。

泥の中の鉄分を使って黒く染める技法で染めているのは、沖縄県久米島の久米島紬、鹿児島県奄美大島の大島紬、東京都八丈島の黒八丈に限られたようです。
久米島や奄美大島では車輪梅の液と泥染を繰り返すことで黒く染め上げ、八丈島では椎の樹液と泥染を繰り返して染め上げます。