支子色(くちなしいろ)

支子色(くちなしいろ) 黄色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 支子色(くちなしいろ)
別名 梔子色(くちなしいろ)不言色(いはぬいろ)
系統 黄色系統

支子色の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #FFD27C
RGB R:255 G:210 B:124
CMYK C:0% M:18% Y:60% K:0%

支子色について

支子色は古くから愛されてきた少し赤みの淡い黄色

支子色くちなしいろとは、少し赤みがかった淡い黄色のことです。
紅花と支子の実で染めた、わずかな赤みのある明るい黄色を指します。
奈良時代に、皇太子専用の禁色である「黄丹おうに」の下染に使われていましたが、この時代には支子色くちなしいろという色名ではよばれず、色名時代が存在していませんでした。
平安時代になると延喜式の中に「深支子ふかきくちなし」「浅支子あさきくちなし」「黄支子きくちなし」という色名が見られるようになり、色名に「支子」が入るのはここからです。
黄支子きくちなしは支子だけで染めた色でしたが、深支子ふかきくちなし浅支子あさきくちなしは、紅花を使った黄丹おうにと似た色になります。

支子色は黄丹と似ているため着用を禁止されました

茜や紅花を使った支子染は黄丹に似た色になるため、元慶5年(881)に禁令が出され、延喜式でも禁止と規定されました。
ただ多少赤みがかった黄を山吹色やまぶきいろ黄朽葉きくちばと言い張って着用した例もあったそうです。
襲の色目にも名があり、「表:黄 裏:黄」となっています。
平安時代以降は特に禁止されなかったらしく、また深、黄、浅の支子色くちなしいろの差は曖昧になり、まとめて赤支子あかくちなしとよばれるようになります。

江戸時代には人気色になりました

江戸時代には染色法が広まったためか、江戸時代を通しての人気の色となります。
江戸の本草学者である貝原益軒も梔子(支子)染の法を説いています。

支子色の別名は「いはぬ色」

支子はアカネ科クチナシ属の常緑低木で、園芸用として栽培されることが多い植物です。
支子という名は、果実が熟しても割れず口が無いように見えるため、「クチナシ」と呼ばれたことに由来するそうです。
また「クチナシ」を「口無し」と言い換えて、口がなければものが言えないということから「謂はぬ色」となり、現在では「不言色」とも呼ばれます。
「新古今和歌集」巻十六にある「ここのへにあらでやえさく山吹のいはぬ色をはしる人もなし」という歌の「いはぬ色」は支子色くちなしいろのことです。