麹塵(きくじん)

麹塵(きくじん) 緑色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 麹塵(きくじん)
別名 麹塵(きじん)
系統 緑色系統

麹塵の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #82895B
RGB R:130 G:137 B:91
CMYK C:13% M:0% Y:50% K:50%

麹塵について

麹塵は天皇のケ(日常)の色で禁色

麹塵きくじんとは、くすんだ緑みの強い黄緑色のことです。
「きじん」とも読み、これは青白橡の中国風の別名とされています。
麹のカビのような渋い黄緑色で、青白橡あおしろつつばみ山鳩色やまばといrと同じ色とされます。

天皇の晴の御袍である黄櫨染こうろぜんに対して、麹塵は懸(け)、つまり日常着、の御衣とされて、天皇しか着用できない禁色とされました。
ですが天皇の秘書的な役割だった六位の蔵人に麹塵きくじんの袍を賜ることもあったそうですが、天皇が着用される時は使用を控えることになっていました。
「枕草子」では「めでたきもの」の段に蔵人の青色姿が記されています。
後に勅許を得れば着用できる聴色(ゆるしいろ)となり、鎌倉・室町の頃には一般にも使われるようになったそうです。
「平家物語」では熊谷次郎直実、直家親子に従う旗指(はたさし、旗持ちの侍のこと)の装束が麹塵きくじんの直垂であり、「太平記」では「十四、五ばかりなる児の麴塵の胴丸」が描かれています。
ですが、天皇以外は着用不可の麹塵きくじんが簡単に下げ渡される訳がないという説もあります。

麹塵は染めるのが難しく、光の加減で変化する色

通常緑色を染める時は、刈安や黄蘗のような黄色染料と藍のような青色染料を使いますが、麹塵きくじんは黄色の刈安と紫の紫草を使っていたそうです。
延喜式には麹塵きくじんと同色と見られる青白橡あおしろつつばみについて「青白橡綾一疋。苅安草大九十六斤。紫草六斤。灰三石。薪八百四十斤」と書かれています。
紫草の根を使う染色は単独でも難しいらしく、さらに刈安を重ねて麹塵きくじんにするのは何度も失敗してようやく染まる程難しかったそうです。
麹塵きくじんは室内の灯火のようなほのかな明るさでは薄茶色に見えますが、太陽の下に出ると緑が浮き上がって見えるらしく、それもこの特殊な染め方によるとされます。