菖蒲色(あやめいろ)

菖蒲色(あやめいろ) 紫色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 菖蒲色(あやめいろ)
別名 菖蒲色(しょうぶいろ)
系統 紫色系統

菖蒲色の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #7F3B90
RGB R:127 G:59 B:144
CMYK C:56% M:90% Y:0% K:5%

菖蒲色について

菖蒲色はややこしい色

菖蒲色あやめいろとは、鮮やかな紫色のことです。
時代によって「あやめ」と呼ばれる植物が違うややこしい色です。

「あやめ」という名は万葉集の時代から見られますが、この時代の「あやめ」は端午の節句にショウブ湯として使われる「菖蒲(しょうぶ)」です。
アヤメの花は「花菖蒲(はなしょうぶ)」に似ており、そのため混同されたようです。

平安時代の襲の色目にも名があり、菖蒲(しょうぶ/さうぶ)「表:青 裏:濃紅梅」となっていますが、単色としての菖蒲色はありません。

江戸時代になるとアヤメとショウブが区別されるようになる

アヤメの花色である鮮やかな紫が登場するのは、江戸時代後期になってからです。
江戸後期の染色指南書「手鑑模様節用」には「あゐかちたるをききやうといふ、赤みかちたるを、あやめと、となふ」とあります。
江戸時代になって、アヤメは「花あやめ」、ハナショウブは、「花しょうぶ」として分けるようになったことが関係しているようです。
江戸後期の旗本で、自宅で60年間も花菖蒲の品種改良を行った「松平定朝」もそのような分類を行ったそうです。
現在でも「しょうぶ」と「あやめ」は混同されがちであり、菖蒲色あやめいろはややこしい由来の色といえます。

ショウブは伝統行事に欠かせません

ショウブは端午の節句以外にも、様々な伝統行事に用いられる植物です。
平安時代中期には、薬玉を吊すことが盛んになったらしく、枕草子や栄花物語にその様子が描かれています。
枕草子には「節に五月にしく月はなし。菖蒲・よもぎなどの香り合ひたる、いみじうをかし。九重の御殿の上をはじめて、言ひ知らぬ民の家まで、いかで我がもとに繁く葺かむと葺き渡したる」とあります。
また栄花物語には「はかなく五月五日になりぬれば、……軒の菖蒲も隙なく葺かれて、心ことにめでたくをかしきに、御薬玉、菖蒲の御輿(こし)などもて参りたる」とあります。
菖蒲(しょうぶ)の御輿は菖蒲とよもぎで飾り付けた輿で、薬玉は種々の香料を袋につめ、菖蒲やよもぎも添えて五色の糸を垂らしたもので、病気を避け長寿をもたらすそうです。