色名・別名・系統
| 色名(かな) | 空五倍子色(うつぶしいろ) |
| 別名 | 空柴色(うつぶしいろ) |
| 系統 | 茶色系統 |
空五倍子色の色情報・カラーコード
| Webカラー(HTML) | #563A13 |
| RGB | R:86 G:58 B:19 |
| CMYK | C:0% M:35% Y:70% K:80% |
空五倍子色について
空五倍子色は五倍子で染めた濃茶色
空五倍子色とは、黒みがかった濃い茶色のことです。
多量のタンニンを含む五倍子(ごばいし)で染めた暗い色です。
白膠木(ぬるで)の枝にヌルデノミミフシという虫が卵を産み付けると、一万匹近い幼虫が孵化して樹液を吸うため、そこは袋状の瘤になります。
瘤が枝の五倍にも膨れるから五倍子、または付子(ふし)といいます。
虫に傷つけられた箇所を細菌から守るため、樹は抗菌作用があるタンニンを瘤に集めます。
そして虫が瘤に穴を開けて飛び立つ前に収穫して染料とします。
瘤の中が空になるため空の付子(ふし)で「うつぶし」という色名になったそうです。
五倍子は檳榔樹の代用品として使われることが多かったそうです。
檳榔樹は輸入品のため高価で、檳榔樹黒を染める際に五倍子を加える、もしくは五倍子のみで染めて費用を抑えた事例も多々あったと言われています。
空五倍子色は喪服に使われた色
空五倍子色は鈍色と同じ類の色とされ、主に喪服の色として使われました。
江戸中期の職故実研究家である伊勢貞武の「安西随筆」には「ウツブシ色 是も凶服の色即ニビ色なり。これは五倍子に少し鉄漿(かね、鉄分を含んだ汁)加へて染れば薄黒くなるなり」と記され、鉄分を使って黒系の色に染められることが多かったようです。
空五倍子色のような黒みのある暗い色は僧侶の袈裟に使われたため、平安時代の「古今和歌集」には「世をいとひ木(こ)の本(もと)ごとに立ちよりて空五倍子染めの麻の衣なり」という、あてもなく行脚し、木陰にうつ伏す僧とその空五倍子染の衣が詠まれています。
