春の錦(はるのにしき)

春の錦(はるのにしき) 花・草木・山の色言葉一覧

春の錦について

春の錦とは春に色とりどりの花が咲いている様子を錦に例えた事

春の錦とは、春に色とりどりの花が美しく咲いている様子を錦に例えた言葉です。
錦は二色以上の金銀糸や色糸を使って美しい模様を出した織物で、大変高価な絹織物です。
「錦」という言葉には、よくある風景ではなく、特別な光景であるという意味が込められています。
「古今和歌集」には平安時代の僧侶で歌人である素性法師の「みわたせば 柳桜をこきまぜて 都ぞ春の 錦なりける」という歌が収められています。
都の春景色を一望した時に、柳の緑色と桜の薄い紅色が混ざり合って様子が、まるで都が春の錦で飾り立てているようだ、という驚きを込めて詠んだ歌です。

「錦」は中国では春を対象とした言葉でしたが、日本では「紅葉の錦」という言葉があるように秋の紅葉にも使われます。
菅原道真が詠んだ「このたびは 幣も取りあへず 手向(たむけ)山 紅葉(もみぢ)の錦 神のまにまに」という歌などで、織物の錦のように美しい光景を表現するために使われました。