幽暗(ゆうあん)

幽暗(ゆうあん) 光・炎・夜・闇などの色言葉一覧

幽暗について

幽暗とは暗くひっそりとしている事

幽暗とは、光が少なくほの暗い様子、音もなく暗くてひっそりした様子のことです。
「幽」は「かすかな」「ひそかな」という意味なので、光もわずかで見えにくい状況を表現しています。
夕方と夜の間のどちらでもない時間の空や、月の光も無く暗い空を「幽暗な空」と表現できます。
光の乏しいほの暗い場所や室内なども幽暗と言えるでしょう。

真言密教の開祖・空海が著した「三教指帰」の中で、幽暗とは欲望に覆い隠された人間の心の闇(煩悩や迷い)や無知による心の迷いを意味する言葉として使われました。
仏教では自己中心的な思いや煩悩による「幽暗」に覆われ、物事を正しく見ることができない「無智さ(無明)」を暗闇に例えます。
空海は儒教や道教の教えでは、根源的な心の闇を完全に除去できず、それができるのは真の智慧と慈悲を持つ仏教の教えのみであるとしました。

話は変わりますが、和食には幽暗焼きという料理が存在します。
魚の切り身や鶏肉などを、醤油、酒、味醂を1:1:1で合わせたものに、ユズの輪切りを加えて調味液を「幽庵地」といい、これに数日間漬けて、汁気を切った後に焼き上げる料理です。
幽暗という言葉からかけ離れた、ユズの香りが清々しい焼き料理です