甚三紅(じんざもみ)

甚三紅(じんざもみ) 赤色系統

色名・別名・系統

色名(かな) 甚三紅(じんざもみ)
別名 甚三紅絹(じんざもみ)
系統 赤色系統

甚三紅の色情報・カラーコード

Webカラー(HTML) #D04348
RGB R:208 G:67 B:72
CMYK C:0% M:85% Y:64% K:15%

甚三紅について

甚三紅は紅色に似せた赤色

甚三紅じんざもみとは、かすかに黄みがかった赤色あかいろのことです。
甚三紅じんざもみは、江戸時代前期の承応年間(1652〜1655年)に京都長者町の紅染屋である桔梗屋甚三郎(ききょうやじんざぶろう)が考案したもので、この色を使った安価な紅糸の絹布が流行しました。
井原西鶴は『日本永代蔵』の中で、甚三紅じんざもみと桔梗屋甚三郎を題材にした、貧乏神のお告げで、蘇芳を用いた新工夫のの染法によって本紅と変わらない紅染に成功し長者になった桔梗屋甚三郎の成功談を書いています。

甚三紅じんざもみは高級品である紅花を原料とする本紅に対して、比較的安価な赤色染料である蘇芳を使った赤色の廉価版という位置づけの色でした。
蘇芳はインド・マレー諸島原産のマメ科の植物で南方からの輸入品でしたが、それでも本紅よりも安価で、赤系の色にはよく使われた染料です。
※染料は蘇芳とする説と、茜を使っていた説が存在します。

江戸時代の人々は紅色べにいろを大変好みましたが、江戸幕府は本紅を禁制品としたため、紅色べにいろは一握りの人にしか使えませんでした。ですが、甚三紅じんざもみは安価なためか、着物の胴裏や八掛などに重宝され、庶民の間で愛される色となりました
紅花を使わない紅染だから、似紅にせべに紛紅(まがいべに)とも呼ばれます。
江戸時代、「もみ」といえば一般に紅絹のことを指すことが多いため、甚三紅じんざもみの「もみ」という読みはそこから来ているそうです。
ただ、蘇芳という染料は色があせやすく、甚三紅じんざもみも同様で、「変わり易くは甚三紅と男の心」といった風刺ができました。